■ベターハウスの不動産仲介業者の「ホンネ」第2回:アフターサービスの限界?
アフターサービスは不動産仲介業者にとって不可避のテーマになっている不動産仲介業者の仕事
上海で住宅を探す際、不動産仲介業者を利用する場合がほとんどである。入居希望者が仲介業者に期待するのは、できるだけ自分の条件(場所、賃料、契約期間など)に見合う物件を探してもらうサービスである。仲介業者は入居希望者の条件を聞き出し、条件に見合った物件をリストアップする。実際に見て回る際には物件の説明をして、オーナーと条件面について交渉する。最終的に、入居希望者とオーナーが賃貸借契約を結ぶ。その際に、仲介業者は、紹介料として一定の手数料を得る。取り立てて特別なものではないし、日本と大きな差はない。仲介業者の仕事というのは、どこにでも存在しそうなサービスである。
アフターサービスという発想
サービスアパート(ホテルのようなサービスが付加された住宅)ならば、水漏れや停電、家具の破損など、トラブルがあった場合も、サービスアパートが対応してくれる。必ずしもすべて無料でサービスしてくれるわけではないほか、サービスアパート入居者も後述するアフターサービスを行っている場合もある。
しかし、個人オーナー物件(中国人が投資して保有する住宅)の場合、そのサービスが存在しない。トラブルがあった場合、入居者が自分で対処しなければならない。中国人オーナーと中国語でやりとりできる語学能力がなかったり、仕事が忙しくて住宅のことまで頭が回らなかったりする入居者の場合、住生活に支障が出る可能性が高まる。
そこで、上記で述べたような、一般的な仲介業者の仕事に加えて、個人オーナー物件のオーナーとの連絡や賃料の支払い代行などを行う「アフターサービス」が登場する。現在、上海で展開し、日本人を対象とする仲介業者のほとんどが、アフターサービスを展開しているといってよい。これが顧客獲得のための最大のセールスポイントなるだけでなく、手数料以上に上乗せしてサービス料をとるチャンスとなる。
企業側からしてみても、アフターサービスを利用することで、駐在員の「安心・安全」と住宅問題の「煩雑さ」から開放される。また、必要なサービスのみ仲介業者から享受したいと考える入居者からも一定の支持があるほか、サービスアパートのサービスが悪い場合、サービスアパートにおいてもアフターサービスの需要が生まれる。
似たり寄ったりのサービス
アフターサービスの内容は多岐にわたる。お手伝いさんの紹介や仕事内容の指示、24時間の緊急対応、破損箇所の修復にかかる連絡・交渉、賃料・管理費の支払い代行、入居・退去の引っ越しアレンジなど、住生活全般をカバーする。アフターサービスは、「問題が起こった際、とりあえず仲介業者に電話すればなんとかなる」という状況をつくってきたといえる。
しかし、実際には、どの仲介業者にアフターサービスを頼んだとしても、内容は似たり寄ったりである。サービスの充実を図ろうとしても、内容に限界がある。アフターサービスにも「重箱の隅をつつく」ような展開をせざるをえなくなってきている。現在、「結局、どこに頼んだって同じなんだよね」という、ある種の仲介業者に対する「飽き」が発生している状況である。
既に、仲介手数料を無料にする業者も出てきている。アフターサービスにも「内容」を超えた「質」と「低サービス料」に競争の力点が移っていくことになるだろう。日本人が納得する質に関しては、まだ発展途上である。今後、アフターサービスは、「低料金」「迅速」「明確」といったキーワードが入居者に対して意味を持つことになるだろう。
なお、仲介業者が提供するアフターサービスと同様に、サービスアパートもサービスの充実にどのような方向性を示せるのか、戦略を練りあぐねている状況である。清掃・リネン交換、スポーツジム、送迎バス、子ども用の遊び場、コンビニエンスストア、朝食サービスなどは、既にスタンダード化されており、これ以上の充実が難しくなってきている。
現在、入居希望者は、仲介業者を選べる立場にある。そのため、要望の敷居も高くなってきている。「アフターサービスばかりで人件費がかさんで割に合わない」という声も聞かれそうだが、付加価値のサービス合戦は、まだ前哨戦が終わったところである。
第2回:アフターサービスの限界?
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