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Topcolumnコラム/ベターハウス6回目

■ベターハウスの不動産仲介業者の「ホンネ」第6回:待てば下がる、下がれば待つ

新築住宅は仲介業者と関係ない
前回、新築住宅の取引量の下落と、価格の横ばい情況について報告した。金融引き締め政策により、資金繰りに窮するデベロッパーが出てきており、販売プロモーションも活発化している。価格が下がったときの価格保証を導入したり、さまざまな特典(内装や家電など)を付したりするなど、「あの手この手」が市場を賑わわせている。最近では、販売プロモーションに限界が出てきており、重い腰をあげて価格調整に踏み切るデベロッパーが出てきているようだ。

 

一般的に、新築住宅は、不動産仲介業者を通じて購入されることはない。一部では、仲介業者が販売代理店として利用されるほか、外国人の場合は、言葉の問題があることから、仲介業者に購入を手伝ってもらうケースが見られるが(これは、06年7月に発表された外資規制により、動きは一気に沈静化)が、住宅購入者は直接デベロッパーと契約を結ぶ。すなわち、仲介業者が扱うのは中古物件である。

 

市内中心部が中古住宅市場の中心
上海における新築住宅の供給は、浦東新区や宝山区、松江区など、郊外区に比重が移っている。一方、黄浦区や盧湾区、静安区といった市内中心区では、開発余地が少なくなってきていることから、新築住宅市場の規模が縮小している。すなわち、郊外区は新築市場と中古市場の混在、中心区は中古市場が中心となっているといえる。

 

中心区の中古市場は、高級住宅が数多く存在するほか、土地供給量が限定的となってきていることから物件に希少性が生まれ、価格水準が高いというのが一般的な見方である。

 

待てば下がる、下がれば待つ
中古住宅市場においても、新築住宅市場における調整にひきずられる形で取引量の下落と価格の横ばいが続いている。

 

新築市場においては、デベロッパーの財政情況が大きく反映されるが、中古市場は物件保有者の消費心理が大きな影響を与える。株式市場の低迷から、大きな損失が生み出されて投資心理が冷え込み、不動産市場にも波及している。投資対象が少ない中国において、株式と不動産は切っても切れない関係がある。

 

株式市場と不動産市場における低迷は、投資家をより理性的な判断に向かわせているのは間違いないだろう。しかし、市内中心部の中古住宅の価格が一気に下落するという考えは少ない。住宅保有者は、「市場の調整期に希少性の高い保有物件をわざわざ売却する必要はない」と考え、「下がれば待つ」情況となっている。

 

一方、住宅購入希望者は、現在の市況の悪化から、「待てばさらに価格が下がるだろう」と判断する傾向が根強い。すなわち、「待てば下がる、下がれば待つ」という「いたちごっこ」が続いているため、取引量の下落が続いていると考えられる。

 

取引量下落による仲介業者の窮地
「待てば下がる、下がれば待つ」という情況は、仲介業者を窮地に追い込んでいる。価格が下がったとしても、買いが入れば、仲介業者には仲介手数料が流れ込む。もちろん、成約した価格が下がれば仲介手数料も減少するが、まだ仲介手数料が入るだけましである。問題視すべきは、いたちごっこから取引量が下落し、成約できない情況が続いているということである。

 

仲介業者の窓ガラスを見ると、いろいろな物件の情報が掲示されている。しかし、実情としては、物件保有者はとりあえず情報だけ伝えておいて、「下がれば待つ」態度をとり、どれぐらいで売れるのか相場を探り、住宅購入希望者は、「待てば下がる」と情報を見続けている。根本的に、仲介業者は、市場に流動性が確保されないと“酸欠”となってしまう。上海においては、大手仲介業者が人員を削減する動きが出ているほか、閉店せざるを得ない仲介業者も存在する。

 

今年10月22日、中央政府は、不動産市場の低迷を受け、税制優遇を含むテコ入れ策を発表した。執筆時点では、「待てば下がる」態度のほうが強く、本格的に市場の流動性を活性化させるまで至っていない。また、今回の政策では、税制が銀行ローンの仕組みにうまく適合していないとの見方も広がっており、銀行側も、どのような体系で融資をすればよいか分からない情況も生まれている。

 

「待てば下がる、下がれば待つ」という様子見からは、流動性が生まれてこない。資金繰りに困る投資家からの投げ売り物件が存在するのは間違いない。また、市況の悪化から売り急ぐ考えもあるのも確かだ。今後、調整が長期化するにつれ、住宅保有者からの焦りが募っていくだろう。短期的には、「待てば下がる」と考える 住宅購入希望者のほうが有利な立場に置か れることになるだろう。(終わり)

 

第1回:住宅需要の多様化  

第2回:アフターサービスの限界?

第3回:不動産仲介業者の便利屋化  

第4回:駐在員の仲介需要の低下圧力 

第5回:最近の分譲住宅市場の動向  

第6回:待てば下がる、下がれば待つ

 

情報提供:ベターハウス上海
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